2018年10月21日日曜日

500万年

大町山岳博物館にて「北アルプスの誕生 激動の500万年史」という講演がありました。
講師は信州大学名誉教授、原山智氏。原山先生の数十年に及ぶフィールドワークから導かれた研究成果は、大地の壮大なドラマでした。


私たちが仰ぎ見る北アルプスには、なんと500万年の歴史があるそうです。
500万年といっても、地球46億年の時間軸を1年に例えるなら、1日のうちわずか9時間くらいのもの。
ヒトの一生80年なんて、1秒にもなりません。光陰矢の如し。

165万年前に爺が岳の大噴火があり、カルデラが形成されました。カルデラの大鍋が逆断層のスライドにより、のけぞり返るように回転しながら3000m近くまでせり上がったとのこと。
鍋からこぼれた縦長の石が、鹿島側川に運ばれFerme36の畑にも見られます。「矢沢の石」です。


(大町山岳博物館発行のパンフレットより)

Ferme36のブドウ園の地質は、火山噴火由来の火山岩70%、マグマが地下で冷却して固まった花崗岩30%のセパージュです(大町山岳博物館矢野先生の談)。後者の花崗岩、実は世界でも最も若い花崗岩の一つとのこと。日本の激しい地殻変動で風化のスピードが速く、含まれる長石、石英の膨張率の差からますます風化が進みます。特異な花崗岩、その上に実るブドウ、醸されるワイン、何かありそう! ロマンは拡がります。